「訪辺歩来」

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鳥取県の霊峰大山の麓、佐摩に「訪辺歩来」はある。
「とうへんぼく」と読むそこは、「そば」という矢印を
辿っていく先にひっそりと佇んでいる。
"辺りを歩き、訪れ来る"そんな意味で名付けられた店名。

そこを初めて訪れたのは昨年の12月だったと思います。
お客様のKさんに連れて行って戴いたのですが、
最初は誰かに連れて行って貰わないと見つけられないような
そんな場所にあります。

店主が7年かけてひとりで建てたログハウスでは
店主自らが打つ一日二十食限定の蕎麦が振舞われます。
その他すべての食材が「天然」のもの・・・
秋には大山へ自ら分け入り採取したきのこの蕎麦
ログハウスの周りの畑には野菜が植えられており
元気に鳴く放し飼いの鳥骨鶏の卵は茶碗蒸となり、
ヤギの「コユキ」のミルクは濃厚なチーズケーキになり、
甲川や勝田川で自ら釣って来た山女は頭から尻尾まで
まるごと食べられるくらい柔らかく煮て供される。
無農薬の青大豆で豆腐も手作り・・・
出汁も昆布と鰹節で丁寧に引かれているので綺麗な味です。

風のそよぐ音と鳥の鳴き声と店主のまな板を打つ
包丁の音だけが響く店内は自然を満喫できる。

「安全、安心な食」に拘り抜いている店主の想いが
食事の合間に熱く語られる。

昨日はそんな心豊かになれる昼食を摂りに
二度目の訪問をして来ました(^^)v

昨年末は大山の天然のなめこを使った蕎麦でしたが、
昨日はほんものの自然薯を摩り下ろした蕎麦で、
栽培された自然薯とは全然違う粘りの蕎麦に
体が元気になっていくのを実感しながら戴きました。

拘り始めたらキリがなく、とても大変です。
でもそれを敢えて続けている店主は凄い!!
私達が普段の生活の中で、添加物の入らないものだけを
口にするという事は今の時代とても困難な事になりました。
どれだけ気を付けていても知らず知らずのうちに
体内に摂りいれてしまっているというのが現実です。
「食」の大切さを改めて考えさせられる1日でした。

テーブルも勿論手作りで、その上に並ぶ盆も勿論の事、
お箸もひとつひとつ自ら作られたもの!!
「お箸も手作りなんですね~!!」と驚嘆する私に
店主は笑いながら言いました。
「家が建てられるんだから箸くらい簡単でしょう~?!」と

『お客様に本物の自然の素材を召し上がって戴くため、
 渓流釣り、山菜採りなどに出かけ、
 留守にする場合がございます。
 できれば電話にてご予約頂けますと幸いです。』
パンフレットには、こんなことが記されているお店です。
興味がおありになる方は是非一度訪ねてみて下さい(^^)

帰宅すると「雹」が降りました!!
外に出て手に取ってみると直径1センチ位はありました!!
これも自然の驚異☆!

いろんな意味で自然と触れ合う一日となりました(^^)

 

 

八十八夜

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季節も移ろい今日から風薫る5月・・・

大型連休に入り米子市内にも県外車が多くなり
スピードを上げ無理に割り込んで来たりする車に
ヒヤッとしてナンバーを見ると県外で、普段より
車の数が増えているような気がします。
このところ、車による事故が多発しています。
みなさんも運転にはくれぐれもお気を付け下さいね(^^)

連休に入ってから吹野のお客様も久し振りに帰省
されている方々が多くなりました。
懐かしい顔や、どことなく見覚えのある顔をお見受けします。

そんな中この頃足繁く通って来てくれるのが
新米新聞記者のOくん(^^)v
お休みの日にはパソコンに向かい趣味である小説を綴り、
新しい試みとして綿作りにチャレンジしてみようという
とても好奇心旺盛な若者です。

まだ将来の自分が描けず暗中模索ですが、
若い人のそんな未来の話を聴くのはとても愉しいものですね☆
まだまだ可能性が沢山ある若い人の話を我が事に重ね
共に愉しませて戴いています(^^)v
もしも私に将来を語る事が出来るとすれば・・・と・・・

いつの日にか、Oくんの書いた小説が活字となり印刷され
冊子となり手元に届くことを期待して待っている私(^^)

さて今日は雑節のひとつ「八十八夜」
立春から数えて88日目のことをいい例年は5月2日なのですが、
今年は閏年なので本日5月1日となるようです。

「八十八夜の別れ霜」といい、この日を過ぎると
霜が降りなくなり気候が安定してくるのだそうです。
昔からこの日にお茶を飲むと長生きするというそうです。

そんなに長く生きたいとは思わないのですが、
Oくんの小説が完成するまでは・・・と
今日は美味しいお煎茶でも飲んでみますか~?!

大型連休5月3日は祝日ですが、木曜日なので
お休みさせて戴きます。どうぞ宜しく(^^)

みなさんも愉しい休日をお過ごし下さいね~☆☆


 

桜ライン311

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今年も例年より少し遅れましたが
また桜が咲きました。

3月のとある日、お客様が
奥様との幸せそうなツーショットの写真を
見せて下さいました。
そのお二人の背景はお二人の笑顔に勝るとも劣らない
綺麗な満開の桜と花びらの絨毯でした。
その素晴らしい桜並木はどこですか?!と問うと、
その方は本当は誰にも教えたくないんだけれど・・・
という思いを抑えその秘密の場所を教えて下さいました。

なので今年はその穴場へ出かけて来ました(^^)

そこは「とっとり花回廊」
四季折々の花を大山と共に愉しめる観光名所です。
その奥の一角に立派な桜並木がありました!!
もう幾度となく訪れているのに、その存在を知りませんでした。

知る人ぞ知るというのでありましょうか
お孫さんを連れたご夫婦や、小さいお子さん連れのご家族や
勿論若いカップルなどが芝生の上でのんびりと
桜を満喫していらっしゃいました。

桜という花は本当に人々の心を和ませる不思議な力を
持っていますね~♪

川沿いには必ずといっていい程桜並木があります。
それはきっと水に対する民の想いが
込められているような気がします。

殆どの学校の校庭にも桜の木はあります。
それは卒業していく子供達がそこで過ごした日々の
想い出をそこに残す為に植えてゆく記念樹。

そんなふうに桜には色々な人の「想い」が
込められているのではないでしょうか?!

岩手県の陸前高田では「桜ライン311」という
プロジェクトが地元の方々とそれに賛同した
ボランティアの人々の手で
あの日津波が押し寄せたそのラインに桜の木を
17000本植えているだそうです。

発起人の男性が抱き抱えた幼子にこう囁いていました。
「いいか~今度津波が来たら
 この桜の木の上の方まで逃げるんだぞ~
 友達にもみんなにもそう教えてあげるんだぞ~いいか~」
東北訛りでそう子供に言い聞かせるお父さんの心の叫びが
胸に響きました。

日航ジャンボ機事故で亡くなられた娘さんを想い
お母さんが植えられた桜が今は大きくなり
同じ悲しみを抱いて生きている人たちの慰めになっている
という場所もあるそうです。

桜は、実はそんな人々の「祈り」や「願い」や「希望」
が込められた「想い樹」なのかもしれませんね。

桜の木の下に埋めて欲しいと願った西行の想い
私も共感してしまいますね~(^^)

青春18きっぷ

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今日米子は昨日からの暖かさに誘われるように
一気に桜が満開になりました。
街中が桜色に染まったそんな午後
ひとりの女性が春風のように吹野へ入って来られました。

「わ~素敵なお店ですね~♪入って来て良かった~♪♪」と
満面の笑みを浮かべて仰いました。
その言葉から、もしや旅の人かも・・・と感じ
「どちらからいらっしゃったんですか~?!」と
その爽やかさにつられて問い掛けました。

するとやはり!!
「埼玉からなんですけど」とのお返事。
更に「実は青春18きっぷで九州から富山へ向かう途中なんです」
と、とっても心地良い口調で声が弾んでいました。
きっと、とても愉しい旅をしていらしたんだろうという事が
その明るい声から伝わって来ました。

「青春18きっぷ」とは・・・
 日本全国のJR普通列車乗り放題の切符のこと!!
 1枚で1日有効 5回分11500円で
 年齢制限なし 乗り降り自由という超お得な切符です(^^)
 細かい事を言うと、1日は0時~翌日0時まで有効
 但し、列車の中で日付が変わる時は変わってから最初に停車
 する駅まで有効となるそうです!!

上手に利用すればとても格安な旅が出来るというわけです!!

この方も仕事を退職した暁にはこの切符を手に旅に出るのが
夢だったのだそうです(^^)
そして、遂にこの春めでたく退職なさり、念願叶ってのこの旅
なのだと、幸せそうに話して下さいました。

九州を廻り富山にいらっしゃる娘さんのところへ行く
タイムリミットが10日(明日です!!)
その途中下車の地に出雲でも松江でも鳥取でもなく、
米子を選んで下さったのが吹野との「ご縁」です。

何気なく選んだこの米子でふたつの幸運に恵まれたと。
そのひとつが吹野へ来られる前に立ち寄られた「油屋書店」
老舗の古本屋さんなのですが、そこにふらりと入ってみると、
彼女が以前から欲しいと思っていて、東京の古本屋でも
見つける事が出来なかった本がその店の棚に無造作に並んでおり
「もう嬉しくなっちゃってダンボール箱ひと箱分
買っちゃいましたよ(^^)v」と興奮気味に!!

そしてその次に立ち寄った「珈琲屋吹野」がふたつ目の幸運と!!
仰って下さいました(^^)/
近くに住んでいたら毎日来ちゃいそう・・・と肩を竦めながら、
珈琲も好きですが、紅茶も大好きでと仰り
ここなら美味しい紅茶が飲めそうな気がする・・・と
店主推奨のF&Mのロイヤルブレンドを
「こんなに美味しい紅茶久し振りに飲みました!!」と
口に運びながらでしたが、
とても初対面とは思えない程親しみやすいその方と
東京のことや、珈琲屋吹野のことを語り愉しい時を過ごしました。

初めて歩く米子の街のこの店に引き寄せられるように
お立寄りくださった、とても知的な女性でした。

私もいつの日か「青春18きっぷ」片手に
普通列車に揺られながら、のんびり旅をしてみたい・・・
そんなことを思いました(^^)

珈琲屋吹野のお蔭で、また素敵な人に出会えました~☆

「清明」

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4月4日は二十四節気「清明」でした。

清明とは清浄明潔を略した語で、
すべてが清らかでけがれなく、生き生きとした気が
みなぎっていることをいうのだそうです。

空は晴れ、花は咲き誇り、青々とした草が地面を覆う、
明るく爽やかな季節・・・
なのにあの「春の嵐」は何だったのでしょう!!

みなさん被害は御座いませんでしたでしょうか?!
日本列島各地に怪我をなさった方から亡くなられた方まで
本当に思いがけない強風に驚愕致しました!!

この季節「春」の表現には春の風がそよそよと吹き、
ゆったりとのんびりしているさまをいう「春風駘蕩」
(しゅんぷうたいとう)があり、先日のような「春の嵐」
を表現するような言葉はありません。
一体全体どうなっているのでしょうか?!
築80年近い珈琲屋吹野も吹き荒れる風に
ガタガタギシギシグラグラしながらもお蔭さまで
看板も屋根も飛ぶ事無く、何とか耐え凌ぎましたよ(><)

でも今回のように気象庁が「明日は全国的に台風のような
強風が吹き荒れるので、なるべく外出はしないように」
などと予め警告をしてくれたので、心の準備が出来て
用心出来た事は大変良かったのではないかと私は思いましたよ。

その他にもこの季節に欠かせない自然現象として
「黄砂」がありますね・・・
これもあまり有り難くない現象でこれに悩まされて
いらっしゃる方々もかなり多いようです。

でもこの季節はなんといっても「桜」です~(^^)
少しずつではありますが蕾が膨らみ始めています~♪
そしてすみれもこの季節に咲く花のひとつですよね(^^)
先日お客様からお庭に咲いたとても良い香りのするすみれを
戴きまして、我が家の庭に移植いたしました。
実は昨年も戴いたのに移植に失敗いたしまして、
それを憶えていて下さったMさんがまた届けて下さったのです。
「失敗しても気にしないで下さいね、また持って来ますから」
という言葉も添えて下さる優しいMさんです(^^)

その「すみれ」の語源をご存知でしょうか?!
花を横から見た形が大工道具の「墨入れ」に似ているから
「すみれ」という名になったんですって!!

今年は根付いてくれると嬉しいです(^^)♪
でも、もしも・・・もしもまたダメだった時は・・・
Mさん宜しく願いします