その日の朝の準備に新聞をホッチキスで閉じる作業をしていると、
入口に人の気配がしたので、いつものご常連の方かと顔を向けると、
そうではなく若い男の子が二人入って来ました。
私が「いらっしゃいませ」と声をかけると先に入って来た方の男の子が
人懐っこい感じで左手でピースサインをするのです。
親しい人なのかもしれないが思い出せない・・・誰なのかわかりません。
取り敢えず「どうぞ」と笑顔で誤魔化し、コップに水を注ぎながら
思考回路を巡らせますが誰だかわかりません。
そこで、ハタと気付きました!!
あれはピースサインではなく「二人です」という意味のサインだったことに!!
気付くともう可笑しくてひとり吹き出していました。
勘違いとは面白いものですね(笑)
でも実は、全く知らない人ではないことがお会計の時にわかりました(笑)
これが一つ目の笑い話・・・
その日もう一つ笑い話がありました。
閉店後近くのスーパーへ電池を買いに出かけた時のことです。
そのスーパーは地下の食料品売り場に電池も置いてあり、
わざわざ上階の電気売り場まで行かなくても食料品と一緒に購入できて
とても便利です(^^)v
ですが、その日は何も必要な食料品がありませんでした。
けれど、電池だけ購入するのも・・・と思いついでに米子市指定ゴミ袋を
一緒に買っておこうと、その二つを持ちレジに並びました。
レジのお嬢さんに金額を言われ、はっと慌てました。
財布がありません!!
私は店の鍵とエコ袋だけを持ちいそいそとやって来ていました!!
「ごめんなさい!! お財布忘れて来ました。取りに帰って来ますね」
そうお嬢さんに謝り、笑いをこらえながら店まで走り、
いつも買い物の時に持参する赤い小銭入れを手に取り再びスーパーへ。
息せき切って同じレジに行き、笑いで誤魔化しながら支払おうと
財布を開けると じぇじぇじぇじぇ!!
お金が30円足りません!!!
急いでいたので中身も確認せずただいつもの財布をつかみ走った
私が軽率でした・・・
再びお嬢さんに謝らなければなりません。
「ごめんなさい・・・ゴミ袋やめて電池だけにしてもらっていいですか?」
優しいお嬢さんは言いました。「はい、いいですよ」と笑顔で・・・
でも内心はとってもお腹立ちだったかもしれません。
けれどそこは客商売です。
三度もレジを打ち直させられたのですから腹が立たないわけがない・・・
それでも笑顔でレシートと電池を差し出し「ありがとうございました」と
言ってくれました。
こんな失敗初めてです!!
嘗て、若かりし頃なら、こんな恥ずかしいことしたら
もう二度とそのスーパーには恥ずかしくて行けない!!
なーんて思ったことでしょう。
でも今はそんなこと思いません。
おばさん になったから です(笑)
またこれからもそのスーパーへ通います(^^)
ただあのレジのお嬢さんには、しっかり憶えられちゃったことでしょうね(笑)
そんなドタバタの一日のご報告でした(大笑い)
『履歴書在中』と赤い文字のスタンプが押された封書が
突然届いたのは4月の初め頃でした。
何かの間違いではないかとよくよく見たのですが、宛名の住所も名前も
ここ珈琲屋吹野に間違いありません!!
総務部人事課長宛に差し出されたその封書を恭しく開けるとやはり
中からあの『履歴書』が出てきました!!
それは紛れもなく珈琲屋吹野へ就職希望する女性から送られて来たものでした。
とても知的でしっかりと自己主張する方と察せられるお顔立ちの女性の写真が
添付されており、群馬県高崎市にお住いの海外生活も経験された方でした。
バリスタになりたい・・・とその意欲は履歴書からひしひしと感じられましたが、
私はまだ「バリスタ」などという呼び方が誕生する30年も前に珈琲の淹れ方を
学び30年以上を経て尚その古いやり方を続けている職人でありまして、
とてもこの方のなりたいと仰ることを伝授して差し上げることは出来ないので
お詫びのお返事をさせて戴きましたが、内心少し嬉しかったです。
これまで、春、夏、冬の休み前になると「アルパイ募集していませんか?!」と
学生さん達から電話がかかって来ることはよくありました。
他にも年齢制限でぱート探しが困難な知人たちが皿洗いでいいから雇って!!
などと言って来ることはしばしばでしたが、こんな風に正式な履歴書が
送られて来たのは初めてのことでした。
今はネットの時代で色々な情報を得ることが可能ですが、この方がどのようにして
吹野を知り吹野に就職したいと思われたのかとても興味深いです。
すると先日更なる若い就職希望者が現れました!!
お母さんと二人で念願の珈琲屋吹野にやって来た「タイガくん」九歳です。
お母さんはタイガくんが生まれる前からよく吹野へ来て下さっていました。
そのお母さんの口から語られる珈琲屋吹野がタイガくんにとってとても魅力的だった
ようで、ずっとここへ来たいとせがんでいたというタイガくん(^^)
やっと願い叶っていっぱい食べて飲んだタイガくんが言ったのが
「お母さん僕夏休みここで働きたい!! お皿洗いたい!!」でした
なぜ、突然彼に勤労意欲が湧いたのかわかりません!!
おうちでよくお台所のお手伝いをしますか?とお母さんに訊ねても
一度もありませんと仰る・・・
私が洗い物をする様子がそんなに愉しそうだったとも思えないのですが・・・
窓際の席から厨房までお母さんのダメ出しにも負けず食べ終えた器を
壊さないようにと両手でしっかり捧げ持ち運んでお手伝いが出来たつもり(^^)
トイレから帰って来た時はペーパーの芯を右手に掲げ
「ペーパーが無くなったから交換しておいたよ」と
立派にお手伝いが出来ました(^^)/
私は心強い助っ人にこんな条件を出しました。
おうちでしっかりお母さんのお手伝いをして、お皿洗いを練習し、
お母さんからOKが出たら吹野へ働きに来ていいよと・・・
4月は就職希望者続出の月!!! でありました
「地球一周の船旅」
どこかでこんなポスターをご覧になったことはありませんか?!
数年前から当店にこのポスターを貼らせてくださいとの要望有り
店内と外壁に貼られるようになりました。
第79回2013年4月1日から7月12日 横浜発着103日間
中国ーシンガポールースリランカーエジプトーギリシャーイタリア
スペインーフランスースウェーデンーロシアーフィンランド
デンマークーノルウェーー北アイルランドーベネズエラーパナマ
グアテマラーアカプルコーマンサニージョ
と巡る旅が129万円だそうです・・・
参加費が割引になるボランティアスタッフも大募集!
私もピースボートを応援しています という文字の下には
登山家の田部井淳子さん、諏訪中央病院名誉院長の鎌田實さんの
顔写真とコメントがそえられています。
いったいこれは何だろう?! と思いながら眺めていました。
地球一周の船旅・・・とても魅力的
でも料金を見ると、到底私には無理・・・
こんな旅に参加する人はいったいどんな人々なのだろうか?!
そんなことを思っていたら、な な なんと!!
先日神戸ナンバーのお車で突然いらしたお客様があろうことか
このピースボートに乗船なさったことがあるとおっしゃるのです!!
もう、びっくりなんてものじゃありません!!!
たまたま他にお客様がいらっしゃらなかったことを好いことに
私はご夫妻の横に座り込み、身を乗り出してその船旅のお話を
伺ったのでした。
おふたりの笑顔からその旅がどれほど楽しかったかが伝わってきます。
私の一番訊きたかった3ヶ月以上に及ぶ船の中の生活が退屈ではないか?
という質問には即とんでもない!!というこたえが返ってきました(^^)
船内には映画館があったり、トレーニングジムがあったり、プールもある
ということは知っていましたが、それだけでは3ヶ月は過ごせないだろう
という私の考えは浅はかでありました。
なんと乗客それぞれの得意分野のカルチャースクールを開設するんだそうな!!
例えば英語が得意な方は英会話教室を、
絵が得意な方は絵画教室を
歌がお上手な方は音楽教室を という具合に乗客が俄か教師になるというのです!!
ちなみにその奥様は「3分間で着物が着れる」着付け教室を開設されたとか(^^)
ポスターに名前があった田部井さんや鎌田先生が特別講師となる講演会も
あるのだそうです。
そして旅が終わる頃には皆家族のように親しくなり、
船を降りてからもずっとお付き合いが続くようになるのだそうです。
とても無理とはわかっているけど、行ってみたいな・・・
なんて夢を見てしまう、そんな愉しい愉しいお話を聞かせて戴きました(^^)
ご主人は今奥様のご実家、岡山県でツリーハウス製作に夢中だそうです。
これもピースボートで知り合った方のご指導あってのことだとか!!
ほんとうに楽しそうなご夫妻で、山陰を旅している途中に偶然雑誌で
「珈琲屋吹野」を見つけ、遠回りになるにも拘らず、足を延ばして
来て下さったお蔭の「出会い」でありました。
またいつかお会いできたら・・・そう願いたくなるご夫妻でした。
それは3月最後の土曜日の昼下がりのことでした。
県外からいらしたような母娘と察するお二人が入店されました。
言葉から関西の方と思ったのですが、もしかしたら四国からの方かもしれません。
軽い昼食を召し上がった頃、お母さんの携帯が鳴りました。
話の様子からお父さんからの電話のようでした。
居場所を訊ねられたようで「喫茶店にいるよ」とお母さんは言いました。
そして次の問い掛けに対して「そう、お父さんが気になるって言ってたお店」
と言い「はい」「はい」「今から行きます」という会話で切られました。
携帯を閉じながらお母さんが娘さんに言いました。「お父さん怒ってた(笑い)!!」と
「なんで?!」と娘さんが怪訝な顔で訊くと「なんで俺より先にその店に行くかな!!」って
聞こえてしまった会話に私は吹き出しそうになりました(^^)
もし私がお父さんだったとしても、きっと同じように怒ったと思うから(^^)
今日これから、もうお帰りになるのなら仕方ありません。
が、もし一泊されるなら、是非明日はお父さんもご一緒に・・・・・
という言葉は言えずに、待ち合わせ場所へ向かわれるお二人を見送りました。
すると翌日、昨日の母娘と一緒に電話の向こうで怒っていたお父さんと息子さんが
揃って入って来られました(^^)v
どうやら話は無事納まったようでよかったです(^^)
昨日家族で吹野の前を通り、お父さんが「気になる」と言いながら通過したお店に
お父さんとお兄ちゃんが用を済ませている間に、時間待ちのお母さんと娘さんが
お父さんを差し置いて入ってしまったというのが昨日の事の顛末のようです。
この春から息子さんは鳥大へ入学、それを送って来られたご家族とお見受けしました。
とても仲睦まじいご家族でした(^^)
今年も気付けばもう4月です。
新生活をスタートさせた方も沢山いらっしゃるのではないでしょうか?!
吹野のお客様の中にも子供を県外の大学へ送り出し、心配しているお母さんもあり、
転勤で吹野へ来られなくなったと嘆いて下さるお客様もあり悲喜こもごもです。
新しい環境に慣れるまで少し大変ですが、皆さん頑張って下さい!!