面影

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いつものように、カウンターのお客様と話をしている時でした。
入り口の扉が開き、女性の姿が見えました。
が、そのまま入り口近くの窓際の席へ進まれたので、柱の陰になり
お顔は見えませんでした。

お冷やのタンブラーを持ちそのお客様の元へ向かうと、
以前よく来て戴いていたお客様によく似ていらっしゃったので、
思わず「あぁ~っ!!」と声が出てしまいました。
もしも、私が連想したお客様なら「こんにちわ~♪」という
反応があると思ったのですが、意に反して「えぇ~っ!!」
というリアクションで、こりぁ人違いしてしまったかな~?!と
「あぁ~ごめんなさい、失礼しました」と謝り、
ブレンド珈琲のご注文を受け、カウンターに戻りました。

珈琲を点てながらも、なんとなく納得出来ず、
「よく知っている人にとても似ていらっしゃるんですけど、
間違ってたらごめんなさい~(^^)」と
珈琲をお持ちした時にもう一度訊いてみようと考えていました。

その珈琲をトレーに乗せてお持ちすると、私が言葉を発する前に
彼女の方から「お店もお姉さんも全然かわっていませんね~(^^)」
と、聞き覚えのある声で話し掛けてくれました(^^)

やっぱり、あの「めぐみさん」でした~☆☆

まだ珈琲屋が開店して間もない頃、彼女は米子の専門学校に
鳥取東部から通って来ていました。
そして、殆ど毎日のように来てくれていました。

卒業してからも時々お姉さんと一緒に来てくれていました。

その後結婚し母になり、姿を見なくなりましたが、
時々訪れて下さる姉さんから、元気で子育て頑張っていると
噂は聞いていました。
なんだか「凄く肥ってしまって、恥ずかしいからここに来れない
って言ってます~(^^)」というお姉さんのお話でした。

今日は入院している知人のお見舞いに来たので、思い切って
寄ってくれたとのことでした~♪☆

当時まだ10代だっためぐみさんも、今は22歳の娘の母だそうです。

あの頃と同じように、ハスキーな声でぼそぼそと話し、
帰る時は「さいなら~」と言うのも、あの頃のままでした・・・

お互いに年を重ねた事を除けば、昔のまま・・・
「あの頃」にタイムスリップしたような一瞬でした(^^)v

子育てや仕事の忙しさから解放された「あの頃」の人たち、
どうぞまた、吹野を想い出し、そっと扉を押してみて下さい。
「あの頃」あなたが過ごしたそのままの棲処がまだ残っています。

長い雨が続きました。
久し振りのお日様が顔を見せてくれた朝・・・です(^^)