夢叶う

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真っ白なカッターシャツに短髪、黒ブチ眼鏡の青年が、
「こんにちわ」と、夕刻6時前の吹野へ入って来ました。
少し前に「珈琲道」で紹介した青年Hくんでした(^^)

「もう一度じっくり目の前で珈琲を点てられるところを
 見せて戴きたくて来ました。ここでいいですか~?!」
と迷いながらカウンターの特等席、入り口から3つ目の席の椅子を引き、
腰を降ろすと、何一つ見逃すまいというような真剣な眼差しで
私の一連の作業を食い入るように見つめていました。

今、私も仕事の合間に私の珈琲の師のその亦師の本を読んでいるところで、
私が今受け継いでいるこの珈琲の淹れ方について、
改めてこれは文化遺産であり、それを受け継いでいる重責を感じ、
大切な役目を担っているのではと、ちょっと大袈裟なようですが、
そんな事を感じているところでしたので、
彼に手元を見つめられる緊張感が、とても良い刺激となりました☆

丁度今の季節は珈琲を点てるのに一番苦労する梅雨時で、
珈琲豆にとって大敵の湿度に煩わされる時期です。
そう前置きすると、彼もそれをよく理解していました。

息を飲むような凛とした張り詰めた空気とBGM以外の
一切の音が消えていました。
Hくんの珈琲に対する「想い」が真っ直ぐに突き刺さって来ました。

出来上がった珈琲を供すると、緊張の面持ちでそっとカップを持ち、
ひと口飲むと、大きく頷き、にっこり笑いました(^^)

前回吹野を訪れた後、それを参考に試行錯誤の日々を過ごし、
以前よりは美味しい珈琲を点てられるようになったのだと・・・

そんな折、知人の力添えで、駅前に小さなお店を任されることになった
と、嬉しさを噛み締めるように教えてくれました(^^)/

看板はスケッチブック!!
店名はお客様の思いつく名前に毎日変わる!!という彼のアイデア
カウンターだけの「美味しいお酒」を飲ませてくれる
念願の自分の城をオープンするのだそうです(^^)v
おめでとう~☆~☆

一旦お酒の世界に戻る事になり、珈琲から離れるけれど、
この一年間学んだ「珈琲」は、これからの彼に大いに役立つもの
となったと語ってくれました~☆☆

瞳を輝かせ、これからの意欲を語り、
未来への夢と希望を語る若者を見ていると、
こちらも元気と勇気が湧いてきます(^^)/☆

珈琲にこれだけ拘るHくんのことですから、
お酒にも大いに拘りがあるようです~☆☆
今度は私が美味しいお酒を教わりに行こうと思いました(^^)

さて、初日のスケッチブック看板には、何という店名が
書かれるのか、愉しみですね~(^^)