珈琲道

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数日前のこと、ひとりの青年が現れました。
「カウンター宜しいでしょうか?!少し珈琲のことを伺いたいので・・・」
と恐縮するくらい礼儀正しい青年でした(^^)

その青年は、半年前まではバーテンダーだったそうです。
それが、あるきっかけで珈琲に関わる事になり、
初めは次への腰掛け・・・くらいにしか思っていなかったと。

それが毎日毎日何十杯も珈琲を淹れているうちにその難しさを・・・
その奥深さを感じるようになり、もっと珈琲のことを学びたいと、
この辺りの珈琲屋さんを巡り、教えを仰ぎ、
試行錯誤の日々を過ごしていると言います。

訪れた店の名前を聞けば、有名店ばかりです。
それは「迷う」はずです。
有名店はそれなりに独自の「持論」があります。
それはそれぞれの店によって全く異なるもので、
それを全部聞いていたら、混がらがってしまうはずです(^^)

30年前、私は東京の珈琲屋さんで「師」に出会いました。
幸か不幸か、私はその「師」しか知りません。

後で知ることになるのですが、その「師」の珈琲道は、
あらゆる「珈琲の美味しい淹れ方」といわれる正道とは異なっていました。

その「師」が独自に極めた手法であるという事に気付くのは、
ありとあらゆる「美味しい珈琲の淹れ方」を知ってからです!!

世間の殆どの本には、13~18gの珈琲に沸騰以前のお湯を少量注ぎ、
20~30秒(多いものでは60秒)蒸らす・・・とあります。

が、私が教えられた淹れ方は、20~23gの珈琲に沸騰したお湯を
たっぷり注ぎ、珈琲がお湯を吸収したらすぐに2投目を注します。
その間隔は10秒くらいでしかありません。

事ほど左様に「珈琲の淹れ方」というのは人それぞれに違うのです(xx)!

青年Hくんは、ずっと各店でそんな話を聴き、
とうとう自分はどれを取り入れれば良いのか
判らなくなってしまったように頭を抱えていました。

もうひとつ言えば、その珈琲豆に合った淹れ方、ということも大切なことで、
私の淹れ方は、この吹野の珈琲豆に合った淹れ方であり、
すべての豆に共通するものではないのかもしれません。

青年Hくんは、現在使用している豆は変えるつもりはないと言います。
だから、色々な方法の中から、その豆に合ったやり方を
彼自身が探し、見つけるしかないのだと思います。

ただ、店というのは、珈琲の淹れ方(美味しいか不味いか)だけではなく、
色々な要素が相まってその店の味なり、良さなりが生まれるのだと思います。
そんなことも考えながら、彼らしい彼にしか出来ない店づくりを
してみてほしいと思い、そんな話もさせてもらいました。

アドバイスなんて、そんなおこがましいものではなく、
彼があまりに一生懸命なので、何か力になれたらという想いでした。
久々に珈琲について真剣に語り合い、私も初心に返り
また改めて珈琲のこと勉強になりました(^^)v

青年Hくんの珈琲に正面から向き合う真摯な姿勢が
とても清々しく、眩しかったですね~☆

私にも、そんな時代があったことを懐かしく想い出してしました。
そんなことを想い出させてくれたHくんに感謝~☆です。

彼ならきっといつか、「彼の珈琲」を見つけることが出来るでしょう(^^)
自分で満足できる味に出会えたら、またお話聴かせて欲しいですね~☆♪☆

窓辺のハイビスカスの鉢に水を注ごうとそっと顔を近づけると
一番上の葉っぱに、ちょこんと「てんとう虫」さんが・・・
てんとう虫さんもここで、ちいさな命を一生懸命に生きていました(^^)v