トイレのぞうさん

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朝から霧雨が降り続く日曜の昼下がり
そのの家族はおみえになりました。

お父さんとお母さんと三人の子供たちでした。
米子の方ではないようでした。
どこか遠くから車でいらしたようです~☆
みんなでメニューを覗き込み注文を検討中、
お母さんが言いました。
「ここに来るの14年振りだよ~♪」と・・・・・
お父さんが言いました。
「うん・・・たしか暑い夏だったよな~♪」・・・
そんな声が聞こえて来ました・・・

お子さん達の年齢は私の見立てが正しければ、
上の女の子が小学校六年生くらいで、
次の男の子が四年生くらい、
一番下の男の子は二年生くらいに見えました。
その四年生くらいの男の子は車椅子で、
お母さんはずっとその子に寄り添っていらっしゃいました~☆

ということは、14年前はこの子達はまだ
生まれていなかった~♪ということ(^^)ですよね~!!

協議の結果、注文が決まり「すいませ~ん」と
言う声に呼ばれ、お父さんととお母さんは珈琲。
子供たちはそれぞれに「桜チーズケーキ」(期間限定)と
「豆乳プリン」と「チョコバナナ」(ミニパフェ)
のオーダーを承りました~♪☆~

私が厨房を忙しなく動き始めると、
家族は順にトイレ通いが始まりました。

まずはお父さん・・・次は待ちきれないようにお姉ちゃん・・・
そして最後に一番下の弟くんが・・・
奥のトイレに向かった・・・と思ったら困ったように引き返してきました。

少し戸惑いながら「女子と男子のトイレが・・・」と
私に問い掛けて来ました(^^)

「ああ~(笑い)ここはね、男子も女子も一緒なのよ~(^^)」
と言うと納得し、もう一度奥へと歩いて行きました。

私は手を動かしながら、何気なくトイレの方を見ると、
少年はトイレのドアに右手の人差し指で何か文字を書いていました(^^)

「カクニン してるのよ~(^^)v」とお母さんの声・・・でした。

とても繊細な子なんだろうな~と感じました。

忙しなく働いた成果(スィーツ)をまず子供たちに届けました~☆

それからお父さんお母さんの珈琲をお持ちすると、
その繊細な男の子が、食べかけのケーキの手を休め
天使のような笑顔で私を見上げ、
「このチーズケーキ、すごくおいしいです~(^^)」
と、とっても優しい声で囁いてくれたのでした。
思わず私も満面の笑みになり「そう~☆ありがとう~♪♪」
と、その賛辞に心からのお礼を言いました(^^)

食べ終えると、お姉ちゃんと弟は吹野の特製本棚から
各々好みの絵本を持って来て読み始めました。
本が好きな子供たちは、食い入るように本を読みます。
その純真無垢な横顔の、何と愛らしいこと~(^^)v

それぞれが絵本を読み終えるのを見届けると
「じゃあ帰ろうか~(^^)」とお母さん。

お会計を終えられ、車椅子のお手伝いをしようとカウンターから出たら
あの弟くんがもう一度私に向かい
「ケーキほんとうにおいしかったです~☆ありがとうございました~(^^)」
と、両手を前に揃えてお辞儀をしたのです・・・
それは、誰かに強制されたものではなく、ごく自然に少年が
自分の意思で取った行動なので、全く嫌味がありませんでした。
「嬉しいわ~♪ ありがとう~☆」と胸いっぱいの私・・・

どうしたら、こんな純真な子供が育てられるのだろう~?!~☆

そのご両親の子育てと、障害を持つ兄弟がいることが、
関わっているのではないかしら~?!~☆

「さようなら~またきます~(^^)/」
と、手を振りながら去り行く家族を見送り、
暫くしてからトイレに行きました。

トイレには、小さな硝子細工のゾウさんが6頭います。
窓辺に私が色々な向きに並べていました。
そのゾウさんが、真ん中で輪になっているのです~!!(^^)

すぐに「あの子だ!!(^^)」と思いました~☆

子供はよくこんな悪戯をします。

でもこれは私には悪戯に見えませんでした(^^)

ゾウさんたちが、そうして欲しいと望んでいて、
それをあの少年が叶えてあげてくれたんだ~(^^)

私にはそう思えました!!(^^)

なぜっ?!て、ゾウさんたちが、とっても嬉しそうな顔になっていたから~☆

トイレの中で、それを並べている少年の嬉しそうな顔を思い浮かべながら、
そっと元に戻しました・・・

でも落ち着きません!!

再びトイレに戻ると、一気に少年が並べてた輪に戻しました(^^)

やっぱりその方が、ゾウさんたちが愉しそうな顔になるのです~☆♪☆

みなさん、是非トイレのゾウさんたちを覗いて見て下さい~(^^)

「ねえねえ~これから何して遊ぶ~(^^)☆」
ゾウさんたちのそんな会話が聞こえてきそうなんです~(^^)V