恥ずかしい過去(Ⅱ)

  • 投稿日:
  • by

それは忘れもしない昭和55年1月1日、元旦の出来事でした。

私は小田急線下北沢の駅のホームに立っていました。

その日私は下北沢の「珈琲屋壇」から珈琲豆とケーキを
新宿珈琲屋へ運ぶという任を仰せ付かっていました。
左手に珈琲豆と、右手にホールチーズケーキを持ち、
電車が来るのを待っていました。

いつものように電車が来ました。
そしていつものように、その電車に乗ろうとしました。

右足を電車に乗せた瞬間にホームの掲示板がガシャガシャっと
音を立てて動き、私は反射的にそれを横目で見ました。
掲示板は電車の発車時刻を知らせてくれるものですが、
時には『次の快速がこれより先に新宿に到着します』
というようなお得な情報を知らせてくれたりもします(^^)v

その時私はすでに、その電車に乗る態勢になっており、
乗せた右足に体重を移動させ、まさに左足も乗せようと浮かせていました。
が、『次の快速の方が先に新宿に着く』との表示に勿論心動かされ、
これはやめて、次の快速にしよう!!と思ったわけです(^^)v
そう決断した私が次にとる行動は当然浮いている左足をホームに戻す
という動作ですよね~♪♪
その指令通り私は、浮いていた左足をホームに引き戻し、降ろしました。

ところが、ところがです!!
一瞬にして私の体は、電車に右足を残したまま落下したのです!!

なんと!ホームに降ろしたはずの左足の下にホームは無く、
一瞬にして私の目の前に見えるのは電車の乗客のみなさんの足・足・足・・・

私は自分の身に何が起こったのか判らず、唖然としていた・・・と思います。

すぐにホームで監視していた駅員さんが飛んで来て、
「大丈夫ですか~!!」と私の右腕を掴んで引き上げようとして下さいました。
私のすぐ前に乗車したサラリーマン風の男性も、
振り返ったら両手に荷物を抱えた哀れな女の子(?)が
信じられない姿で電車とホームの間に挟まっているものだから、
一体何が起こったのか考える暇も無く私の左腕を掴み、
駅員さんと共同作業で哀れな私を引き上げて下さったのでした(xx)

その後のことは、あまり良く憶えていません。
大変なパニック状態だったと思います。
親切に助けて下さった男性にも、ちゃんとお礼を言ったかどうか・・・

兎に角まだ若い(?)女子にしてみれば「恥ずかしい~!!」
という思いだけが「痛い」という現実より優先されており、
駅員さんに「お怪我はありませんか~?! 歩けますか~?!」
という問い掛けにも咄嗟に「大丈夫です~(・・;)」なんて言ってしまい、
痛くてたまらない左足を必死に動かし、駅員さんに支えられながら
その電車に乗ってしまったのでした。
早くその場を立ち去りたいという一心だったのです!!

が、すぐにそれが間違った選択だったということに気付かされました(xx)

その一部始終を目撃していた乗客の皆様と、新宿駅までの時間を
共に過ごさなければならないという「地獄絵図」を描く羽目に・・・

その10分程の僅かな時間が何時間にも感じられました。
痛みと恥ずかしさで涙が溢れ出し、新宿駅から珈琲屋まで、
荷物を両手に、足を引きずり涙でグシャグシャになりながら、
兎に角、その珈琲豆とケーキを早く届けなければ・・・という想いと
誰か知っている人のいる所へ行きたいという想いだけで
ただただ歩いたような気がします。

そして、辿り着いた珈琲屋には、千葉さんと幾人かのお客様が・・・
その中に、あろうことか佐藤さんがいらしたのです(xx)!!

『~電車とホームの間が広く開いている事があります。
               足元には充分ご注意下さい~♪』
いつもホームでこんなアナウンスが流れる度に、
そんな馬鹿はいないでしょう~(^^)と笑っていた私が、
その馬鹿になってしまいました(xx)大笑いです(^^)(^^)/

教訓:駅構内で怪我をした場合は、駅から救急車で病院へ行くべし!!
   もしどうしても、そのまま電車に乗らなければならない時は、
   その電車ではなく、次の電車にするべし(絶対に)!!