2009年4月アーカイブ

愛についての100の物語

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あい 口で言うのはかんたんだ
愛 文字で書くのもむずかしくない

あい 気持ちはだれでも知っている
愛 悲しいくらい好きになること

あい いつでもそばにいたいこと
愛 いつまでも生きていてほしいと願うこと

あい それは愛ということばじゃない
愛 それは気持ちだけでもない

あい はるかな過去を忘れないこと
愛 見えない未来を信じること

あい くりかえしくりかえし考えること
愛 いのちをかけて生きること

先日、玄関先で見送る私に、
何度も 何度も 振り返り 振り返り 
手を振ってさよならを繰り返し、珈琲屋をあとにされた
鈴木昭男さんより送られて来たパンフレットに綴られていた
谷川俊太郎さんの詩 です。

4月29日から7月20日まで、金沢21世紀美術館で開催される
「愛についての100の物語」のバンフレットなのですが、
トーク、ライブ、パフォーマンス・・・
予想外の出来事が次々生まれる展覧会です!
と、なんとも興味をそそられるものに仕上がっているのです!!
その写真も、この添えられた谷川俊太郎さんの詩も、とても素敵なこのイベントに
鈴木さんも参加されるのです!!素晴らしいですね!!

それと共に送って戴いたDVD「点気」(きだて)には、
谷川俊太郎さんの詩の朗読と鈴木さんの「オ・ト」が収録されているのですが、
鈴木さんの手にかかると、ありとあらゆる「モノ」が
なんでも、すべて「オ・ト」になるんだ・・・と気付かされます。
それは 例えば 「紙を破る(裂く)オ・ト」
それは 例えば 「ふたつの石をぶつけ合う オ・ト」
それは 例えば 「空き瓶をニットに包んだものを叩く オ・ト」
それぞれが それぞれの 独特の「オ・ト」を奏でるのです!
途中の鈴木さんと谷川さんの会話も、なんだかとても
こころが「なごむ」対話になっていて、ほっこりします。

とても素敵な、貴重なものを戴き、出会えたことに感謝しています。

愛知県の一宮市には、「点音(おとだて)」のスポットがあるそうです!!
野外で楽しむ茶会のことを「野点(のだて)」と言います。
町中で音を楽しむことを「点音」と鈴木昭男さんは名付けました。
地面に白くプリントした
耳+足型のマークの上に立って佇み、
耳を澄ますスポットがあるそうです!!

きこえる音 きこえない音
見えるもの 見えないもの に 耳をすます1日・・・

そんな一日を過ごしてみたくなりました。

 


 

「アナラポス」

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4月22日夕刻、何の前触れも無く
鈴木昭男さんがいらっしゃいました!!

鈴木さんは網野町在住のアーティストです。
この方も、桂まめださん同様、明日香村の渡辺誠弥氏のご紹介で、
2004年2月に珈琲屋吹野で「音」を奏でて戴きました。

丁度その日、お客様と鈴木さんのお話をしていたので、
まさにその当人ご登場に驚きを隠せない私でした。

トレードマークの帽子、いつもの優しい笑顔で、
私をびっくりさせようと、何も知らせず、
突然のご来訪だったようです。

前日ロンドンからお帰りになったばかり、にも拘らず、
網野町で親しくしている「kanabun」さんに誘われ、
フラ~ッと山陰の旅にいらしたとか!!
いかにも鈴木さんらしい~と笑ってしまいます。

持参のカバンの中には、5年前に吹野で「音」を響かせて下さった
自作の楽器「アナラポス」がありました。
他にも、石笛や、古代の笛の音を幻想的に聴かせて戴いた
あの日あの時の摩訶不思議な「音」たちの記憶が甦って来ました。

話はやはり共通の知人である渡辺氏の話になり、
お互いの逸話が渡辺氏の性格に共通するものがある事が解かり、
改めて、大切にしたい方だと再確認したりしました。

網野町に10年がかりで建設中の自宅があるとか、
「弥生の笛」製作のために100個くらいの石を探し求めているとか、
気の遠くなるようなお話なのですが、鈴木さんの口から零れると
なんとも自然に聴こえて来るのが不思議です。
そんなふうに、「時かゆっくり流れている人」鈴木さん。

今月末には、金沢美術館でのお仕事が控えているとか!!
これからも、益々のご活躍をお祈りしています!!

そして、また、フラ~ッと来て下さい!!
お待ちしていま~す!!

 

 

闘病

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昨年の12月のこと。
いつものように電話が鳴る。
いつものように「珈琲屋吹野です」と出る。
すると、ノイズのような「音」で「マツバラデス」と聞こえたよな気がした。
勿論その声は、私の知っている松原さんとは程遠い「声」でしたが、
「ええ~っ!!マスターですか~?!」と問い返すと
「ソウヤ~」とまた、振り絞るような関西弁に私は言葉を失いました。
「コエガデエヘンノヤ」と、やっと聞き取れる声がする。
声の主は、30年前、珈琲修行に上京した折、2年間お世話になった
東京新宿珈琲屋のマスターでした。

マスターの病との戦いが始まったのは15年くらい前でした。
病名は「悪性リンパ腫」でした。
電話でその病を告げられた時と同じくらいの衝撃があった
今回の電話の声でした。
15年前からずっと自宅での療養が続いていたのですが、
昨年12月容態の悪化で入院されたのでした。

いろいろ質問したい事はあったのですが、
喋るのが辛そうなので、聞き役に専念しました。
お正月を病院で過ごさなければならない事を余儀なくされ、
それが一番の不満のようでしたが、病気治療の為、仕方ありません。

それから五ヵ月後の4月10日、いつものように電話が鳴り、
いつものように出ると、少し間があった後「マツバラデス!!」
と、また振り絞るような声が聞こえて来ました。
ずっと気になっていたので、様子を伺うと
「ヤット 今日 退院ヤ~!!」と、苦しそうな中にも
喜びが伝わってくる返事が返って来ました。
12月には訊けなかった「どうして声が出ないの?!」
という質問をしてみると、
「治療ノタメニ 喉ヲ切ッタカラヤ~」と言う。
「もう、ずっと声は出ないままなの?!」という問い掛けには、
「イズレハ出ルヨウニナルラシイ」と聞き安心する。

30年前、東京の珈琲屋で初めてマスターの珈琲を飲んだ時、
あの日の衝撃は忘れられません。
珈琲の豆が、マスターの注ぐお湯を深呼吸するようにフワフワと膨らみ、
そんな光景を今まで見た事の無かった私は「珈琲の不思議」を目の当たりにし、
そして、その抽出された液体(珈琲)のあまりの美味しさに感動しました。

いつか私にもこんな美味しい珈琲が点てられる様になるのだろうか?!
と始めた修行でしたが、なかなかマスターのようには豆は膨らんでくれず、
なんとかお客様に出せるようになるのに三ヶ月かかりました。
それでもマスターの味には到底及ぶものではありません。

自分の店を持ってからも、ずっとマスターの味に
追いつけ、追い越せ と頑張ってきました。
7~8年前、療養中に故郷兵庫へお帰りになった時、米子まで足を伸ばして下さり、
久し振りに私の点てた珈琲を飲んだ時に、「旨い、美味しい!!」と言って戴き、
漸く卒業証書が貰えたような気がしました。

東京での、あの修行が無かったら、今の私は、今の珈琲屋吹野は無かったと思います。
珈琲の点て方だけではなく、行儀見習や、お客様との接し方、
掃除の仕方からお花の生け方まで、ありとあらゆる、学校や家庭では
教わらなかった事をすべて教えて戴いた、そんな2年間でした。

そんな修行の話はまたいずれ書く事があると思います。

電話で「吹野サンハ元気ソウヤナ~!!」と言われ、つい
「そうなんです!元気だけが取柄なんですよ~!!」と
何気なく言ったのですが、病気を抱えている人にとっては
「元気」はかけがえの無いもの。
心無いことを言ってしまったかも、と、悔やまれます。

恩師の退院を祝し、どうぞ元気でいて下さいと、
祈りを込めて、綴ってみました。

五ヶ月ぶりに美味しい珈琲が飲みたいから珈琲豆を送ってくれと言われ、
早速宅急便で送った珈琲を美味しく飲んで下さってるようです!!

 

春の母娘!!

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二十歳代の独身の頃から来てくれているYちゃん。
結婚して、子育てが始まり十年くらいの時が流れたでしょうか。
お母さんそっくりな二人の女の子(小学生)を連れて来てくれました。

オーダーを訊きに行くと、お母さんは珈琲。
子供たちは、それぞれに葡萄ジュースとアイスココア!!
そして、キャラメルバナナトーストと、黒ごま黄な粉トーストを!!

一月ほど前にお母さんは、短大時代の仲間と吹野に集まった折に、
みんなで食べたキャラメルバナナトーストを、
今日は子供たちに食べさせたい!!と、連れて来てくれたようです。

先に飲み物を運び、出来たてアツアツのキャラメルバナナトーストを
持って行くと、もう飲み物の入っていたコップは空になっており、
お待ちかねのトーストを見る二人の目は輝いていました。
身を乗り出し、美味しそうに三人で和やかな食事風景でした。

帰りにお会計をしながら、
「いつもは残すパンの耳も今日はきれいに食べました~!!」と
すっかりお母さんが板についたYちゃんが、笑顔で言いました。

何よりも嬉しい報告でした!!
春休みを満喫して、また、来て欲しいですね!!

我が家の庭で今年初めて鶯が鳴きました。
上手に「ホ~ホケキョ♪」と鳴きました。
桜の花も開き、いよいよ春です!!

2012年2月

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